一人暮らしの家計収支、貯蓄、負債 平成26年
「平成26年全国消費実態調査」の結果が発表されました。
この調査結果で、単身世帯(一人暮らし)の家計収支、貯蓄、負債に関する結果が集計されています。
ここでは、それらのデータを紹介していきます。
なお、すべてにおいて言えることですが、結果としてあらわされた数字をそのまま自身に当てはめて考えるのは止めましょう。
年齢も異なれば性別も異なる、住んでいる地域も異なるなど、人それぞれかと思います。
あくまでもデータは集計された一つの結果でしかすぎません。
参考にするのは良いのですが、だからと言ってすぐに自身との対比で落ち込んだりすることの無いように、ご覧いただけたら幸いです。
※データは「平成26年全国消費実態調査 単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果 結果の概要」(総務省統計局 平成27年9月30日より)
一人暮らしの持ち家率
持ち家率は60%でした。
この数字だけを聞くとかなり高く感じるかもしれませんが、40歳未満に絞ってみると、13.5%とかなり低くなります。
数字を押し上げる要因としては40歳から59歳の55.2%、60歳以上の79.6%が大きく影響しています。
これらの世代は家を持つことが当たり前の社会環境で育っていますので、持ち家率が高くなっています。
一人暮らしと言えどもいろいろな状況があり、たとえばすでにパートナーが無くなったことにより、一人暮らしになってしまったような方の場合は、持ち家があることも多々あります。
男性と女性の比率では、男性が50.9%、女性が67.9%です。女性が多い理由としては、パートナーと暮らしていても男性の方が寿命が短く、必然的に女性一人が生き残るから、というのが影響しているように思えます。
年齢別でみると、40歳未満の男女比では男性17.3%に対して女性7.3%と、圧倒的に男性が多いです。
これは、男女間の賃金格差が影響しているのかもしれません。
一人暮らしの家計収支
一人暮らしの家計についてです。
消費支出(使うお金)は月平均16万9545円、食費が4万円ほど、他、住居2万4千円、光熱費1万1千円、交通・通信費が2万1千円など。
住居費が安いのは、持ち家は0円扱いで計算しているからかと思います。
なお、男女比では、男性は食費が4万4千円と女性より1万円高くなっています。
そのうち、外食も男性は1万6千円と女性より1万円高いです。これは女性は自炊の能力があるからかと思われます。
逆に女性が高い項目としては「その他消費支出」が挙げられます。化粧代などが含まれているからかと思われます。
一人暮らしの収入と支出
ここでは、一人暮らしで、なおかつ勤労世帯の状況を見ていきます。
税引き前の実収入は月29万8643円で、男性は33万円、女性は25万円です。
消費支出は18万円。先の17万円と違うのは、勤労世帯のみのデータだからです。
このため、引退済みの年配の方のデータを入れると、支出額が減るということがわかります。
年齢別でみると、50歳代が一番支出額が多く、20万円前後でした。
高齢無職一人暮らしの家計収支
高齢者で職業無しの一人暮らしの人の家計に関してです。
高齢者で仕事をしておらず、社会保障のみに頼っている場合、月3万円の不足が出ています。
このため、若い世代の人は、こうした不足分を貯金等で自ら補う必要があります。
当然、今後も社会保障に関する世の中の動きは変わってくるため、今の予想よりもさらに多い額を自前で用意する必要が出てくるでしょう。
とはいえ、平均を計算しての不足分ですので、切り詰めて生活をすればなんら問題なく生活できるかもしれません。
一人暮らしの貯蓄
一人暮らしの貯蓄状況は平均値で男女それぞれ1200万円前後です。
中央値は男性が480万円、女性が679万円となっています。
基本的に、平均より中央値を見たほうが、一般的な数字に近いと言われていますので、中央値を一つの貯蓄の参考にしてはどうでしょうか。
世代別で見ると、40歳未満が男性373万円、女性264万円ですので、若い世代の人はこの数字を一つの目標にしましょう。
一人暮らしの負債
一人暮らしの負債状況についてです。
男女別でデータが出ており、40歳未満が一番多い負債を抱えています。
40歳未満男性が454万円、女性は380万円。
その後の年代では徐々に数字が下がっています。
理由としては、40歳未満で土地住宅を買うことにより負債を抱え、年齢を重ねるごとに負債の返却が終わり、額が少なくなるからです。
当然、土地住宅を買わない人は負債がほとんどありませんので、実際の負債額は人それぞれの状況によって大きく変わるでしょう。