法人で賃貸住宅を借りる場合(社宅)のメリットや注意点、必要書類
賃貸住宅を法人によって借りることも出来ます。
その場合、社宅と呼びます。
最近では個人が起業することも多くなり、社宅による賃貸住宅を借りるケースも増えてきています。
この社宅扱いで借りる際の注意点等を紹介します。
社宅扱いのメリット
まず、社宅扱いで借りる際のメリットを紹介します。
主に次のような点があります。
会社の経費とすることが出来る
社宅扱いにすると、会社の経費として賃貸住宅の代金を支払うことになります。
実際に住む人は、会社に対して一定の割合の代金を支払うことになりますが、その額は普通に借りるより安い場合が多くなっています。
これにより、借りる人にとって、割安で住宅を借りられることになります。
また、会社側としても、給料で多く払うよりかは社宅として借り受け、それを社員に貸すことで、節税効果も発揮することができます。
保険なども会社の経費とすることが出来る
賃貸住宅を借りる際には保険などに入る必要がありますが、そうした費用も会社持ちにすることができます。
これにより、節税効果が期待できます。
法人として借り受ける際の注意点
ここでは、特に自宅兼事務所のような使い方をする場合を中心に取り上げます。最近ではSOHOや副業で行っていたものを法人化する人も多いため、そうした人向けのお話となります。
真っ当な会社かどうか
まず、一番重要なのが真っ当であるかどうかです。あまりにも怪しい仕事内容の場合は許可が下りない可能性があります。
しっかりと不動産会社に説明できるように、話すべき内容を事前に整えておきましょう。
来客はあるのかどうか
本来は、住宅は住むためのもので、会社として使うための場ではありません。そのため、来客が頻繁に来るような使われ方をすると、他の住民の迷惑や不安を募らせることになります。
このような理由で、来客が多いような仕事として社宅として活用するのであれば、断られる可能性があります。
ネット関連のみで済ませられる仕事であれば、許可も得やすいでしょう。
看板等を出すのかどうか
何かしらの看板を出して営業をするのかどうかも問題になります。
また、看板ではなくても、表札などに会社名を書くかどうかもポイントになります。
基本は住居用住宅のため、他の居住者との関係で、表札に会社名を書くこと自体、断られる可能性があります。
表札に会社名がなくても郵便物はしっかりと届けてくれるため、この辺りは記載しない方向で話を進めていくと良いでしょう。
部屋一室を用いて人を呼び寄せて行う仕事をする場合は、看板無しというわけにはいかないと思いますので、この辺りは応相談になります。
断られることも多いと思いますが、そうした条件を満たす物件を探していきましょう。
住む住所にて法人登録するかどうか
法人はどこかしらの住所を登録する必要があります。
この住所登録を社宅として借り受ける場所にするかどうかという問題があります。
個人で借りる賃貸の場合は、無断で法人登録住所としても気がつかれないことが多いのですが、社宅の場合は法人住所が変更となった際に不動産会社に変更の連絡をする必要があります。
このため、同じ住所で法人登録したい場合は事前に登録の可否を確認する必要があります。
今ではバーチャルオフィスなどのような別途住所登録できるものも存在しますので、そうしたサービスを利用して法人住所はバーチャルオフィスにしておくということも検討しましょう。
ネット等で住所を公開するかどうか
インターネット上で住所を公開するかどうかも問題になります。
公開すれば、その住所に気がついた不動産会社から指摘を受けることもあるでしょう。
このため、公開の可否についても確認が必要です。
この問題を回避するには、バーチャルオフィスの活用なども検討する必要があります。
社宅を借り受ける際の必要書類
社宅を借りる際に必要となるものを紹介します。
このほか、実際に住む人の資料も必要になります。その際は個人で借りるのと同じ資料を用意しましょう。
大きな会社でしたら、基本的な手続きは会社側で行ってくれます。個人としては、会社から要求された書類を用意するだけで済むかと思われます。
小規模な法人や、社員1名のみの法人の場合は、自身で書類の準備をする必要がありますので、その際は下記を参考に、必要書類を整えましょう。
入居者自身の書類に関しては『契約に必要な書類』をご覧ください。
法人の登記簿謄本
法人が存在することを示すために、法人の登記簿が必要になることがあります。「履歴事項全部証明書」などになります。この書類は、会社を登録した地域の法務局に取りに行くことになります。
郵送で取り寄せることもできます。
このほか、会社のパンフレットなどによって法人の存在を確認することもありますので、指定された資料を用意しましょう。
法人印鑑証明証
会社の印鑑証明書も必要になることがあります。こちらも法務局で取り寄せることになります。
決算書
あまり有名でない会社の場合は、その会社の決算書を求められることもあります。会社の状況が適正なのかどうか、問題がないのかどうかをチェックされます。
決算書は主に損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/L)を中心に他に必要なものがあれば、別途用意しましょう。
たいていは税務署に提出する法人税支払いの際に資料を作っていると思います。その資料を該当部分を取り出し、用意しましょう。